次の10年間に登場して欲しいと思う未来の技術はどのようなものですか?ウェアラブルなジェットスーツはいかがでしょう?Richard Browning氏が関わるジェットスーツは、もっと身近になろうとしています。
Richard Browning氏は Gravity Industries社の創業者で、世界初の体に装着したジェットエンジンで飛行するスーツの開発責任者です。彼はジェットスーツで未来的な飛行をすることから、メディアやファンの間では「リアルアイアンマン」と呼ばれています。彼がジェットスーツで飛行する動画はいつもバズりますが、最近Insta360 ONE X2を使ってイギリス海兵隊と共に撮影した動画もその一つです。
Richard Browning氏に革新と冒険の原動力はどこにあるのかと尋ねると、おそらく「親譲りのもの」だ、と答えるでしょう。Browning 氏はGravity Industriesを創業する前にBritish Petroleum社で16年間働き、衝突回避システムを使って世界中の船を追跡することで世界の貿易のやり方に革命をもたらしました。彼はまた、イギリス海兵隊の予備員を6年間務めました。
Browning氏の亡父もまた、航空関係の技術者であると同時に、型破りな冒険家でした。そのためBrowning氏は幼い頃から、物を分解しては組み立ててまた壊すことに慣れていたそうです。彼は子供の頃から、まだ誰もやったことのないことは何でもやることで、「次の丘の向こうにあるものは何でも」疑問に思うことが好きでした。
360度カメラを携えたBrowning氏の目は今、人間が飛行するジェットスーツの進化に注がれています。
Richard Browning氏は人間が飛行する喜びをどのように捉えているのか
Richard Browning氏が Gravity Industriesを創設した時、具体的な目的があったわけではありませんでした。会社を作った理由は「単に実現可能かどうかに挑戦する喜びのため」だった、と彼は述べています。いまや彼はこの挑戦を超えて、Gravity Industries社の彼のチームと共に人間の飛行できる能力を証明しようとしており、新たな世代の発明家が彼の後に続くよう刺激を与えています。
未来的な飛行を捉えるには、未来的なカメラが求められます。Browning氏が装着するジェットスーツに見えない自撮り棒でInsta360 ONE X2をマウントして撮影した映像は、まるで彼のすぐそばで一緒に水の上を横切って飛んでいるように見えます。自撮り棒は自動的に映像から消えますが、Browning氏はこの機能で「多くの人が一杯喰わされる」と述べています。
「本当は熟練したドローンパイロットが上空からドローンで撮影したか、もしかしたら鳥にカメラを装着して撮ったんでしょ?、と多くの人から言われました」
Browning氏はInsta360 ONE X2について次のように述べています。「このカメラはとても優秀です。VRゴーグルで見た映像は、実際に飛んでいる様子を想像したものに非常に近いです。一緒に飛んでいるような映像を撮影するため、このカメラを多用しました。」
彼はまた、カメラのGPS統計機能を使って、ジェットスーツの速度を動画にオーバーレイしています。最高速度50km/hに到達する様子を以下の動画でご覧ください。
ジェットスーツレース: 未来のスポーツになりうるか?
Browning氏は個人のショーとしては2017年以降これまでに、32か国で111回のイベントにおいてジェットスーツを実演してきました。イベントを拡大するため、Gravity Industries社ではジェットスーツの国際レースシリーズを組織しようとしています。
このコンセプトはシンプルですが、アクション映画からそのまま切り出したシーンのように思えます。世界中の都市を象徴する水辺で行われる各レースでは、Gravity Industries 社の数人のパイロットがお互いにレースします。技術的な不具合や事故が発生した場合を考慮して、すべてのレースは川や湖、海岸で行うことにしています。
Browning氏はこのレースシリーズについて、娯楽以外の実際的な目的はないという点でF1レースに似ており、「面白く刺激的で、技術を進化させる本当に素晴らしい方法です」、と述べています。次回のレースは公開されることになっており、「一大スペクタクルになる」ことをBrowning氏は約束しています。
彼はまた、将来的には360度カメラからのライブ配信の可能性にも期待しています。「視聴者が360度動画の視点をリアルタイムで動かすことができて... 別のパイロットや障害物が視聴者のそばをさっと通り過ぎるように見ることができれば、本当にクールです。」
Gravity Industries社のジェットスーツで誰でも飛べるようになりますか?
でもそばに座って見ていなくてもいいのです。Browning氏はほぼ誰でもジェットスーツで飛べるようになって「リアルアイアンマン」になれる、と断言します。たった4分で Gravity Industries社のジェットスーツで飛べるようになった記録がありますが、Browning氏は普通の人でもジェットスーツを装着してわずか15分で習得できる、と述べています。
Browning氏はジェットスーツで飛べるようになることを、自転車に乗れるようになることになぞらえています。彼がジェットスーツでの飛び方を教える際には、係留ロープを使って膝の高さよりも低い位置には落ちないようにしています。自転車の補助輪のようなものです。こうすることで突然落下するという心配をせずにリラックスして練習できます。
Gravity Industries社製ジェットスーツのデザインが他の多くのジェットスーツと異なるのは、ジェットを腕と脚に装着している点です。つまり技術を駆使することなく直感的にジェットスーツを制御して向きを変えることができるのです。腕を外側に広げると上昇力が弱まります。腕を下向きにすればより高く上昇します。
Browning氏はとても小さな出力での飛び方を教えることから始めます。徐々に出力を上げるにつれて、回転と安定性を制御することを学ぶようになります。指示に従えば「多くの点で自転車の乗り方にとてもよく似ていることに気づき、すぐに飛べるようになります」とBrowning氏は述べています。

Richard Browning氏とGravity Industries社のジェットスーツの今後は?
ジェットスーツレースの他にも、Gravity Industries社では顧客への様々なトレーニングやテレビや映画作品、そして軍隊との協業も行っています。そうした中でも同社は技術開発のペースを緩めていません。
Browning氏は2019年11月に、体で制御するジェットエンジンで飛行するスーツでの最高飛行速度記録を塗り替えました。新記録は85mphで、2017年に彼が初めて記録した32mphを大きく更新しました。彼は将来的に記録に固執するつもりはない、としながらも、「速度と距離の記録はどれだけ進化してきたかを証明するマイルストーンなので、記録の更新を楽しんでいます」。
Browning氏は現在、VTOL飛行 (垂直離着陸飛行) から翼を利用した空力飛行への移行にも興味を持っています。
VTOLとは基本的に、ヘリコプターのように垂直に離陸し、ホバリングし、着陸できる航空機のことを指します。
しかし、この飛行方法での最大の技術的課題は飛行時間です。空中で静止するために大量の燃料を消費するからです。このためBrowning氏は現在、翼による飛行を検証しています。「翼で飛行すれば燃料が非常に少なくて済み、より速く飛ぶことも可能になる」からです。
Gravity Industries社はまた、技術開発を目的としてInsta360のカメラで撮影した映像も利用しています。Browning氏は飛行後の分析のため360度カメラを多用している、と述べています。
「360度カメラを使えば、VRゴーグルを装着して座っているだけで翼の動きを詳しく調べることができます」
「映像を再生すれば、パイロットのすぐ下にいるかのように翼面を見てそのあらゆる動作が確認できます。とてもクールです。これは大発見でした」
彼は現在、脚に装着する翼を試していますが、「非常に効果的であることがわかってきた」とのことです。翼をテストする様子はこちらの動画でご覧いただけます。
ジェットスーツは今のところほとんどの人にとって非常に高価なものですが、Richard Browning氏はこの技術をもっと一般的なものにするための別の方法を探しています。他のエクストリーム系スポーツと同じく、ジェットスーツは自分で試してみようとは思わないかもしれませんが、見ている分には本当に面白いものです。
Gravity Industries社のジェットスーツについてもっとよく知りたい方は、弊社のRichard Browning氏へのインタビューを以下の動画でご覧ください。
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